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2023.06.09
# カード # Google
スマホをマイナンバーカードに…アップルが警戒、政府主導の計画に潜む「ヤバいリスク」
荻原 博子
経済ジャーナリスト
プロフィール
事故多発のマイナンバーカード
マイナンバーカードの信用を失墜させるような事件、事故が次々と発覚しています。
情報の紛失や漏洩の報告は2017年から'21年までの5年間で約3万5000件あり、'21年10月以降にも、マイナ保険証に別人の情報が誤って登録されたトラブルが少なくとも7300件以上確認されました。
しかし、これは氷山の一角で、マイナンバーカードの再交付手続きを行った人に誤って個人情報を記載した帳票が送られてきたり、コンビニで住民票の写しを取ろうとしたら別人のものが出てきたり、マイナンバーカードに紐つけられた預金口座の「公金受取口座」が別人のものだったということもありました。
こうしたトラブル続きの中で、この5月11日からスタートしたのが、「Androidスマホへのマイナンバーカード機能搭載」です。
これは公的個人認証サービスの電子証明書機能をスマートフォンに搭載することで、マイナンバーカードがなくてもスマホだけで健康保険証として使え、住民票などのコンビニ交付ができるほか、「マイナポータル」での情報取得や確定申告、さらには子育て支援などで受けた交付金をキャッシュレス決済などと連動して使うことも出来るといいます。
このように利便性が高まることに加え、スマホにマイナンバーを搭載する事はセキュリティー上にもメリットがあると言われています。
ハッキングなど実害が大きい犯罪に発展することも懸念されていますが、そうなると指紋認証や顔認証といった生体認証機能があるスマホは、カードで持ち歩くのに比べて格段に安全性は高くなるというわけです。結果的に犯罪を未然に防ぐことにつながることも期待されています。
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政府とアップルが大激論
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政府の要請にアップルは応えず
ただ気になるのが、今回スタートするのはAndroidスマホだけで、iPhoneの名前が出ていないことです。
なぜiPhoneには、今回、マイナンバーカードが搭載されなかったのでしょうか。
昨年12月15日、アップル社の最高責任者であるティム・クック氏が来日し、首相官邸で岸田文雄首相と会談しました。その際岸田首相は、マイナンバーカードの機能を同社のiPhoneにも搭載して欲しいと要請したそうです。
しかし、それに対しクック氏は、「利用者のプライバシーやセキュリティー保護が損なわれないような規制をしっかりと構築してくれるのなら、前向きに取り組みたい」と答えました。
それから半年経った今もアップルの対応が変わっていないということは、なんの進展もないということなのでしょう。
アップルが懸念するのにはそれなりの理由があります。それは、政府が進めようとしている「サイドローディング」に、セキュリティー上の不安がある点です。
サイドローディングとは、スマホのアプリを通常の入手経路とは異なる手段で端末に導入すること。スマホで言えば、公式のアプリストアを経由せずに、パソコンからケーブル接続でインストールできるようにすることです。
現在、スマホ向けのアプリの市場は、アンドロイド向けのGoogle PlayとiPhone用のApp Store経由が大半、寡占状態になっています。特にiPhoneに関してはApp Store以外からのアプリの入手をまったく認めていません。
公正取引委員会は、これが新規参入を阻害し、市場に十分な競争が促進されていないと指摘。競争促進のため、自社のアプリストア以外からアプリをダウンロードできるよう義務化するべきだと主張しているのです。
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iPhoneは安全性が売りなのに
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iPhoneは安全性が売りなのに
確かにサイドローディングを義務化すれば、多くのアプリ開発業者が参入し、競争原理が働いて市場が活性化、価格も下がる可能性がある。それは消費者にとってメリットです。
反面、サイドローディングが始まれば、アプリの開発業者にとっては有料アプリの海賊版が出回る危険もはらんでいます。
また、「野良アプリ」とも呼ばれる、プラットフォーマーの審査を経ていないアプリが流通することになり、アプリ経由でマルウェア(悪意あるソフトウェア)が、スマホに侵入する危険性が増えるリスクが高まることは大きなデメリットです。
仮に、マイナンバー機能を搭載したスマホがマルウェアに感染すれば、そこに紐付けられている様々な個人情報や機密情報を抜かれるなどの被害が出る可能性があり、それによって被害が金銭に及ぶリスクも高くなります。
iPhoneは、安全性が高いことで評価されているスマートフォンです。'19年と'20年にNokiaがアンドロイドスマホとiPhoneを対象に行った調査によれば、アンドロイドスマホに比べて15〜47倍、マルウェアへの感染被害が少ないという結果になりました。
こんなに差が出るのは、すべてのアプリをストアでしか買えないようになっているからというのも大きな理由と言われています。現在App Storeで提供されているアプリは180万本以上で、その多くは、何度かアップデートが繰り返されています。
気の遠くなるような作業ですが、アップルストアでは、すべてのアプリとアップデートに担当者をつけて、人力でチェックをしてきました。だからこそ、iPhoneが売り出されてから過去15年間、ほとんど大きな事故が起きていないのです。
ところが、今、政府がしようとしているのは、この堅固な要塞にサイドローディングによって脇から侵入できる穴をつくろうとしている。アップルにとっては、マイナンバーカードを搭載し、もしそこから大切な個人情報が漏れ出したりでもしようものなら、これまで培ってきたiPhoneの安全性への信頼は地に落ちてしまう。
それを恐れているから、岸田首相に直々に要請されたにもかかわらず、動けない状況なのでしょう。
マイナンバーカードとスマホを紐づけること、そしてサイドローディングが引き起こす問題点について、後編〈カード番号と暗証番号が芋づる式に…「マイナンバー」が日本に引き起こす大混乱〉で詳述する。
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アップル社の方がリスクを心配して搭載を拒否している。
リスクなど考えたことも無い河野太郎デジタル庁は何処にでもリスクをばら撒こうとしている。
デジタル庁は責任負わないと宣言しているのだから気楽なものだ。席にの湧ない奴が唆しをやるのは犯罪でしょ。太郎は自分で自分を罰するって頭に自分の拳固でこつんとやってハイお終いなのかな。世襲銀ってその程度の出来。で、今は岸田に援護射撃を要請して涼しい顔。
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