赤いシーサーの影
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沖縄旅行の時に
沖縄生まれの息子を
連れて行かないで
留守番させてしまった
帰って引き取りに行ったら
大変な権幕だった
息子はそれから10年もしないで
1人で旅立ってしまった
恐らく沖縄へ
それで
シーサーを取り寄せることにした
息子が里帰りしやすいように
*
旅行の時に買ったシーサーは略奪された
息子の悲しみを思うと
今思い出しても胸が痛くなる
*
土産品売り場で
一所懸命に探したシーサー
家の守り神になる筈だった
あっさり略奪されて
全く何の感慨も無い誰かの忘れ物
貧弱なシーサーが残された
手に取ることは無かった
小さなこの子も立派なシーサーだったろうが
自分を捨てた飼い主に何を思っただろうか
*
シーサーは心を通わせた後は只のシーサーではない
張り切って家に着いたシーサーのペア
瞬く間の略奪
どんなにか辛かっただろう
留守番させられた息子とも対面できなかった
略奪をした女はその後、半年もしないうちに癌を患い、
略奪した男は転職を余儀なくされる
やがて
息子も健康を損ない
病との戦いも空しく旅立ちを余儀なくされる
家には心を通うものが一つもない
あの時の思いを呼び起こして
シーサーを構えよう
赤いシーサー
家に招いて
共に来るはずだったシーサーの怒りを解いて
再出発を祈念
息子の里帰りを手伝う
次はこの赤いシーサーに乗って旅に出る
みんな一緒に
無限の時間旅行
赤いシーサーの陰に息子の姿が浮かぶ
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