「選択と集中」
ジャック・ウェルチのGE改革で注目された概念だけど、どの企業も、どの経営者も、有限リソースの中では選択と集中を考えない人は居ない。
でも、GEのような成功事例もあれば、必ずしも成功と言えないケースがある。
昔からGEをお手本にしていた日立。空前の経営赤字の危機から、無理やりの選択と集中で、危機を乗り越えたように見える。
東芝も米国原子力事業買収の失敗から、結局、会社を3分割する荒療治を余儀なくされたが、誰が見ても失敗事例に見える。
両者を分けたものは何か?特別な何かがあったのではない。
日立と東芝の明暗を分けたもの:
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(寄り道)
選択と集中って分かり易くて収まりのいい言葉だが、そう言えば、最近流行りの「断捨離」の概念にも通じるものを感じる。断捨離もまた、ごみを捨てるのではなく、自分に必要なものを選んで残すことを徹底すること。ゴミではないが不要と考えたものは自分から離すことに過ぎない。
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超が付くくらい単純なことだ。
実績であれ見通しであれ、数字(売上利益)がおかしい(想定外)と気付いたとき。
直ぐに非常ベルを鳴らしたのが日立。単純なのだ。 経営陣から現場まで危機感を共有できた。
一方の東芝は?。実は今になってもよく分からない。業界紙を探ればオープンになっているかも知れないが、いつ、経営陣は、経営陣の一部であっても、問題を認識したのか。危機感を共有するプロセスは如何回ったのか。
よく分からない。
時間と言う最大のリソースを、日立は残していたが、東芝は残せなかった。
その違いを生んだのが、経営陣の資質か、企業風土か 。全てトップダウンの東芝はトップの資質に危機管理も依存する。トップダウンが過ぎていると、上が吹っ飛んだときに、次のリーダーが何処にもいないことになる。
内部留保の大きさも主導権や時間稼ぎに影響するが、東芝は図体に相応しい規模のものではなかったのかもしれない。
見えてくるのは右往左往だけだ。
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