来年の今頃ならタイトルは「なぜ大谷は自滅したか」になるだろう。
2023年 大谷は何かに取り憑かれた狂人のようにグラウンドに立ち続けた。打者として、投手として、走者として。
2021年のMVP。誰もが当然と思っただろうが、MVPとは何かに新しい答えが出た訳ではない。二刀流の評価を真面目に考えた人は居ない。
2022年はMVPを逃す。ホームランの新記録がMVPを獲得。二刀流の評価を否定する判定と誰も気づかない。
大谷翔平は二刀流でもナンバー1でなければ意味がない。評価されないと気付いた。愚かなMVPジャッジシステムの為に、そのように理解するしかなかった。
例えば、水陸両用車で空も飛べるクルマが出てきた。F1レースに出したらそれなりにスピード豊かにはしるものの、ぶっちぎりの早い車がいて全く歯が立たなかった。で、カーオブザイヤーを決めるとき、F1新記録の車を選ぶか、地上水上空中どこでも使える車を選ぶか、と言う問題。F1にノスタルジーを多くの審査員が新記録に歓喜した結果。1台3役の夢の車はF1仕様に改造して全てを手に入れた。技術革新と新素材の成果だ。
機械と違って生身の大谷に出来ることは、1秒でも長くグランドに立つこと。投げて打って走ること。NO1を獲得しないとMVPは取れない。1つでも多くのチャンスが欲しい。エンゼルスのフロントにもストップを掛けさせない。無謀は大谷の意思だ。
アメリカ球界は何をしたか。申告敬遠。ことごとくチャンスを奪おうとする。
マウンドに上がった翌日も党首はスタンバイするのか?
ピッチャー専業でも必要な休暇を取る。追い込まれている大谷には休みを取る余裕もない。その理由は、MVPの判定システムそのもの。古いアメリカの声かも知れない。
大谷は果たして何と戦っているのか。
二刀流。投打で一流ではまだ不満と言う声と戦っている。投打でナンバーワンを目指すこと。例え、自滅しても、目指さざるを得ない心境。
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1台3役の車にF1性能を求める馬鹿馬鹿しさを理解するなら、大谷にナンバーワンを求める馬鹿馬鹿しさにも気付くだろうが、MVP判定委員は反省が必要だろうが何も言わない。
大谷の自滅を喜んでいるのか。野球の可能性をMVPが潰している。
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大谷はドン・キホーテを続けるのか。
馬鹿馬鹿しさに気付いて、新たな自分の姿を作り上げるのか。
再手術はドン・キホーテを続けること。
本当にまじめなら、既に手遅れかも知れないが、野球人生をギャンブルにしてはいけない。
マウンドに立つのは月1回で十分。登板後の3日間はオフ。
F1しか見えていないMVPは無視する。
野球に対して誠実であること。
それが大谷の出すべき答え。
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【関連】
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蟻の一穴
どんなに頑丈に作った堤防でも蟻が開けた小さな穴一つがきっかけとなって崩壊することがある。それに気付くのは豪雨に見舞われた時だ。
鍛え上げた運動選手のボディは毎日ギリギリのチャレンジを続けている。何処かに小さな綻びが出たら、次の綻びを促し、やがてチャレンジする機会まで奪う。だから一流の人はオンとオフのコントロールが欠かせない。間違えれば命取りだ。
大谷翔平は、しかしながら、オンとオフのコントロールが全くできていない。食事と睡眠だけのデイリーサイクルでは片付かない問題が頭から抜けたままになっている。
大谷は今季(2023)大活躍だが、誰よりも限界すれすれに身を置いた中での蟻の一穴を放置した結果、故障はあちこちに転移し当然のように壊れた。ギリギリでやれば小さなことがきっかけで崩壊が始まる。誰でも知っている。
誰でも知っていることにチャレンジを余儀なくされた理由は、先に述べたように、2022の結果を否定されたこと。自分も否定せざるを得なかった。2022の結果に満足し、セルフコントロールが自在ならもっとスマートな大谷が実現していた。
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小次郎と戦った武蔵は見事な一刀流だった。何が大事か本気で考えた結果だろう。
大谷は少年のまま博物館に入るのか、ベーブルースのように新たな生き様を見つけるのか。
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~大谷翔平が今こそ読むべき本~
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原題「ゲルトルート」をなぜ「春の嵐」としたか?
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28 vs. 2 @2022
全米野球記者協会(BBWAA)が17日(日本時間18日)、今季のア・リーグMVPを発表し、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(30)が、エンゼルス大谷翔平投手(28)に130ポイント差をつけ初受賞した。 ジャッジは1位票28を獲得し、410ポイント。 大谷は1位票2獲得し280ポイントだった。
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人種差別の壁
大谷が戦っている相手は、誰もが気付いているだろうが、人種差別の壁そのものだ。ジャッジは白人だから賞賛のタイトル。大谷は異物として好奇心で見られているだけ。特にオールドアメリカンの価値観を持つ連中からは露骨な扱いを受ける。
全く戦う意味のないものと戦うように持って行かれている。大谷はどこまで自分を理解しているか。彼らが引いた線の上を歩く必要はない。憧れてはいけないと言っていた翔平自身が心の中に積み上げた憧れを捨てきれていないのではないか。
結果、オールドアメリカンの価値観に翻弄されている。何か大事か今こそ気付くべき。そうでなければ、只の異色の黄色系で終わる。
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2023シーズンもここへ来て、ジャッジは申告四球もなく余裕でホームラン連発?。オールドMLBが全員でタイトル奪取に励んでいる。弱小チームエンゼルスの大谷は不必要なくらいに申告敬遠四球を受けていたのに。フェアプレーでも何でもない。野球はアメリカのものだと主張している結果だ。黄色い天才児に渡すものではない。
結局、44本の大谷に誰も追い付かずホームラン王が確定した。次はMVPの話題になる。もしかするとオールドアメリカンが顔を見せるかも知れない。
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