行動の科学|スタートコストと言う発想


 

発達障害の僕が発見した「すぐやる人」と「なかなか着手できず破滅する人」を分ける思考のクセ

興味深い記事。書籍紹介記事に見えてしまうのは少し残念だがなかなか面白そうだ。

特にスタートコストは当たり前で分かっているつもりでも、改めて考えるきっかけになる。

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誰でも、思い付き、考え、アイデア、約束、・・・など、行動の要因となるものを心に浮かべても、即座に実際の行動に移す訳ではない。

大なり小なり、躊躇(ちゅうちょ)、躊躇い(ためらい)、葛藤、気後れ、不安が付きまとう。

それを抑え込む、喜び、希望、達成感などをイメージして、心の奥で、プラスとマイナスが、オポとリスクが悪戦苦闘しているかも知れない。

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実に些細なこと。今、テレビで見ていた面白そうなことをメモにするかしないか。そういう時も小さな葛藤。「後で役に立つかも」と「面倒くさい・どうせ無駄」が戦っている。

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発達障害サバイバルガイド――「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47 

 

 




https://diamond.jp/articles/-/244242




発達障害の僕が発見した「すぐやる人」と「なかなか着手できず破滅する人」を分ける思考のクセ


借金玉
ライフ・社会 発達障害サバイバルガイド
2020.9.3 3:50



発達障害のひとつであるADHD(注意欠陥・多動症)の当事者である借金玉さん。早稲田大学卒業後、大手金融機関に勤務するものの仕事がまったくできずに退職。その後、“一発逆転”を狙って起業するも失敗して多額の借金を抱え、1ヵ月家から出られない「うつの底」に沈んだ経験をもっています。
近著『発達障害サバイバルガイド──「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』では、借金玉さんが幾多の失敗から手に入れた「食っていくための生活術」が紹介されています。
働かなくても生活することはできますが、生活せずに働くことはできません。仕事第一の人にとって見逃されがちですが、生活術は、仕事をするうえでのとても重要な「土台」なのです。
この連載では、本書から特別に抜粋し「在宅ワーク」「休息法」「お金の使い方」「食事」「うつとの向き合い方」まで「ラクになった!」「自分の悩みが解像度高く言語化された!」と話題のライフハックと、その背景にある思想に迫ります(イラスト:伊藤ハムスター)。
★関連記事:発達障害の僕が発見した「仕事で失敗しても助けてもらえる人」と「友達が離れていく人」の分かれ道
生活の「スタートコスト」を下げろ

 昔、東京大学を卒業した知り合いに「なぜ、毎日そんなに勉強を頑張ることができるのか」と尋ねてみたことがあります。

 「勉強を『頑張る』という感覚がわからない」と彼はいいました。「自分にとって勉強をすることは、毎日寝る前に歯を磨くくらいあたりまえのことだから、ことさらに頑張ろうと考えたことはない」と。

 「僕は歯を磨く気力を出せない日がよくある」と返すと、彼はとことん「わからない」という顔をしました。人と人がわかり合うのはとても難しいことですね。

 たいていのものには「やるべきことに取り掛かるためのハードル」が存在します。これを僕は、「スタートコスト」と呼んでいます。

 普通の人が、スタートコスト1でできることが、僕はスタートコスト10かけないとできない。発達障害の僕らが「習慣化」を苦手とする理由は、ここにあります。実際僕は毎日「歯を磨くぞ!」と両手で顔をたたいて気合いを入れる必要がありますし、うつがひどくなってくると、お風呂に入ることさえ難しくなります。

 この人間一人一人の間に横たわるあまりに大きな差について、僕たちはまず認め、少しずつでも改善していく必要があります。
「この一手を減らせないかな?」と常に考える

 試行錯誤の末に僕がたどり着いたのが、「外部環境によって、スタートコストを極限まで下げる」ための工夫でした。具体的な方法は次の3つです。

・一元化:必要なモノが分散せず、手が届くところにある

・常時一覧化:毎日やらなければいけないことを「目に入るように」セットする

・省エネ:「やるぞ」という意思決定コストを普段から節約する

 スタートコストの削減はお金を使って設備を整える、いわゆる「投資」が必要な場合もありますが、その一方でほんの些細なことで削減できるものも少なくありません。毎日の生活の中で常に「この一手を減らせないかな?」と考えるクセをつけてみてください。

 たとえば僕の本当にささやかながら効果的な習慣として、

・パソコンの電源は落とさない
・書きかけのワードファイルはすべて開きっぱなしにしておく
・デスクがどれほどめちゃくちゃでも、パソコン作業だけはできる環境を維持する

 これらを実践しています。僕にとって、書くべきワードファイルを探して開く行動すら、あまりにハードルが高すぎるのです。これに「パソコンの電源を入れる」「デスクを片づける」まで入ってくると、もはやそこで「詰み」なのです。
「できないことはできない」から始めよう

 「みんなができることができない」無力感が、僕の人生にはずっとついてきました。それは発達障害のせいかもしれないし、あるいは僕の努力が足りなかったのかもしれません。おそらくその両方でしょう。しかし、サバイバルとは手に入る資源で生き延びていくことです。いきなり理想の自分に近づいていく努力をする前に、まずは日々を苦しまずに生きられるようになることが先決です。

 あなたは東大を卒業した僕の友人みたいに、毎日当然の習慣として勉強をしたり、あるいは毎日早起きして筋トレをしたりすることはできないかもしれません。でも、今ある資源を最適化することならいつだってできます。

 どうか、「自分は怠けている」という結論に安住しないでください。できないことはできない、ないものはない。いつだってそこから始めていくしかないのです。

 まずは今日を、やっていきましょう。





https://diamond.jp/articles/-/244242?page=2





借金玉(しゃっきんだま)
1985年、北海道生まれ。ADHD(注意欠如・多動症)と診断されコンサータを服用して暮らす発達障害者。二次障害に双極性障害。
幼少期から社会適応がまるでできず、小学校、中学校と不登校をくりかえし、高校は落第寸前で卒業。極貧シェアハウス生活を経て、早稲田大学に入学。
卒業後、大手金融機関に就職するが、何ひとつ仕事ができず2年で退職。その後、かき集めた出資金を元手に一発逆転を狙って飲食業界で起業、貿易事業等に進出し経営を多角化。一時は従業員が10人ほどまで拡大し波に乗るも、いろいろなつらいことがあって事業破綻。2000万円の借金を抱える。
飛び降りるためのビルを探すなどの日々を送ったが、1年かけて「うつの底」からはい出し、非正規雇用の不動産営業マンとして働き始める。現在は、不動産営業とライター・作家業をかけ持ちする。著書に『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』(KADOKAWA)がある。
Twitter:@syakkin_dama
note:https://note.com/syakkindama
「あたりまえ」がやれないあなたへ

 みんながあたりまえにやれていることがうまくやれない。人生がまるでうまくいかない。僕は若い頃、漠然とそう感じていました。「まともな人」があたりまえとしてこなす日常的な物事は、どれもこれも僕にとってあまりに過酷なもののように思われました。

 いつも部屋の中はめちゃくちゃでした。出かけようと思っても、アイロンのかかったシャツも清潔な靴下の一足もなく、かばんの中からは大事な書類がいつも消失しました。電気やガスはしばしば止まり、住民税の滞納金を何度も払いました。朝は起きられず、夜は眠れず、いつも何かに追い立てられているような焦燥感を感じていた気がします。

 実際のところ、いつも何かに追い立てられていました。それは払い忘れたままずっとテーブルに放置された請求書や、クリーニングに出し忘れたスーツ、目を覚まして仕事に向かわなければいけない朝、税金や年金といった行政手続き、冷蔵庫の中で腐っていく食材、たまりにたまった洗濯物、そういったものでした。

 かつて発達障害と診断されたとき、僕の生活におけるさまざまな問題が発生する理由について、深く納得できました。「なるほど、そういうことだったのか!」という感動を今でも覚えています。しかし、それがわかったところで「問題」は相変わらず存在し続けていました。今のところ、発達障害を「治す」のはあまり現実的ではありません。となれば、障害を抱えたまま人生をうまくやっていくためのノウハウをつくりだしていく以外に、結局のところ選べる道はないのです。
サバイバルとは「よりラクな、より快適な、より優雅な」生活

 本書は「サバイバルガイド」、生き延びるための本です。

 しかし、木の皮をかじり泥水をすすり、塗炭の苦しみの中でかろうじて命をつなぐ状況を「サバイバル」と僕は呼びたくありません。サバイバルとはよりラクに、より快適に、より優雅に生きられる環境を自らつくり上げていくことであると、本書では定めています。

「食うや食わずで苦しんで書くより肉と肉汁のかかった芋を腹いっぱい食ったほうが、いいものが書けるに決まっているだろう」

 チャールズ・ブコウスキーという作家がこんなことをいっていました(細かいところはうろ覚えですが、ニュアンスは合っているはずです)。本書のモットーは、この言葉に集約されます。

「きちんと生活をしよう」は「快適な生活をしよう」と同義でなければいけないと僕は思います。しかし、なぜか人は「不便で快適ではない生活」を志向してしまうところがあります。「自分はまともな生活ができていない」と感じている人ほど、まるで自分に快適な生活をする権利はないとでもいうようなある種の自罰性─贅沢は敵だ!─を持っているように僕は思えてならないのです。この本は、そういった方向を一切目指しません。ストイックさは、むしろ悪徳とさえ考えます。

 人類が井戸を掘るのはなぜか。つまるところ、川まで水を汲みにいくのがめんどくさいからです。人類がカマドをつくるのはなぜか、ラクに炊事をしたいからですね。この「ラクに」というのは非常に重要な概念だといえます。具体的な工夫やノウハウで労力と時間を削減し、生活を快適にした分だけ、人類は発展してきたのです。僕らの人生も、同じです。

 みんなでうまいこと生き延びて、幸せになりましょう。やっていきましょう。
「できない」のその先を書きました

 障害を抱えて苦しんでる人に、何の具体性もなく「頑張れ」というのは、サバンナに放り出されたコアラに全力ダッシュでインパラを狩れって話ですよね。本書はそういう内容にならないよう心掛けました。意識の高い自己啓発書みたいに「インパラは首が弱点」とかは書いてないので安心してください。どの項目も必ず「あたりまえのことはできないのが前提」で、その先に何をすればいいかを書いています。さらに、本当に使ってもらえる本にするため、次の3つの工夫をしています。

【工夫①】「やる理由」が書いてある
 僕も含め、発達障害傾向のある方は「とりあえずやって」といわれるのがとても苦手だと思います。僕自身、丸暗記がダメで、何事もメタ的に理解しないと、行動できません。それに、「とりあえずやって」のハックだけを読んで一度はわかった気になっても、自分で応用できません。やる理由、背景となる思想を知って、ぜひ自分なりに実践してみてください。

【工夫②】「イラスト」でひと目でわかる
ハックの内容を感覚的につかめるよう、すべての項目にイラストをつけました。長い文章を読むのが苦手な方、お子さんと一緒に読む方にも少し助けになったらうれしいです。

【工夫③】「具体的なグッズ」も紹介!
 本の中に出てくる商品のうち、具体的に「これを買った方がいい」というものは、写真をつけて解説しています。さらに、巻末に「借金玉愛用品」として僕が使っているグッズ一覧と、商品名を全て掲載しました。「どれを買ったらいいかな」と悩んだときの参考にしてみてください。
本書の主な内容

はじめに 「食っていくための」生活術

CHAPTER1 生活環境――サバイバルに絶対必須の設備ハック
発達障害サバイバルの大原則【生活環境編】設備投資できない病がすべてを狂わせる
●Hack01 食洗機が「先延ばし人生」を解決する
●Hack02 健康が一番高い。今すぐ「寝床」に課金せよ
●Hack03 机とイスは、あなたの家の「知の生産拠点」
●Hack04 「ぶっこみ収納」で汚部屋から脱出せよ
●Hack05 「いつも何かを探す人生」を断ち切る神ツール

CHAPTER2 お金――貧困と借金から学んだマネーハック
発達障害サバイバルの大原則【お金編】必要なのは「金を稼ぐ」技術より「貧乏でもやっていく」技術
●Hack06 「世界一ラクな家計簿」で浪費が止まる
●Hack07 多重債務生活を今度こそ終わらすたったひとつの方法
●Hack08 「貯金0円」の発達障害者が100万貯める技術
●Hack09 食費を削りたいならスーパーに行くな
●Hack10 借金は、ちょこちょこ借りるな

CHAPTER3 習慣――くりかえしが苦手な僕らの365日ハック
発達障害サバイバルの大原則【習慣編】生活の「スタートコスト」を下げろ
●Hack11 「1日1箱」で習慣を固定しよう
●Hack12 やることパニックは「他人に」整理してもらう
●Hack13 「決断疲れ」には週1カレーが効きます
●Hack14 「風呂に入れない病」を解決するスゴ技
●Hack15 起きるハードルを極限まで下げた目覚めハック2・0
●Hack16 睡眠薬を飲んでも眠れない夜を救う「強制終了」
●Hack17 「パジャマ」でアルコール依存を防ぐ

CHAPTER4  在宅ワーク――だらだらに勝つ自宅作業ハック
発達障害サバイバルの大原則【在宅ワーク編】よき日常があってこそ、よき仕事がある
●Hack18 何よりもまず「働かないイス」を用意する
●Hack19 発達障害のための最強「机コックピット」
●Hack20 「手洗い儀式」でだらだら癖を追い払う
●Hack21 「過集中で脱水症状」は小型冷蔵庫で防ごう
●Hack22 タスクはデカい「ホワイトボード」に全部ぶっこめ
●Hack23 すっぽかしをゼロにする「究極カレンダー」
●Hack24 「お菓子を贈る」でゆるい絆を維持する

CHAPTER5 服――おしゃれとか以前の身だしなみハック
発達障害サバイバルの大原則【服編】服に「センス」は必要ない
●Hack25 あなただけの「ライナスの毛布」を手に入れよう
●Hack26 「アップルウォッチ」で時計マウンティングを回避する
●Hack27 「ジャケット+スラックス」を信じろ
●Hack28 「部族のユニフォーム」はミリ単位で微調整しよう
●Hack29 「たたむ」「しまう」は悪い文化です
●Hack30 安物のスーツでも「ちゃんとした人」に見せる

CHAPTER6 食事――ずぼら完全対応版自炊ハック
発達障害サバイバルの大原則【食事編】もう、レシピは覚えなくていい
●Hack31 最低限生きていく「食のベース」を常備せよ
●Hack32 「味の素+塩」で9割の料理はおいしくなる
●Hack33 「しょうゆの入れすぎ」が全てを台なしにする
●Hack34 レシピは「メタ化」すると無限に応用できる
●Hack35 皮は一切むかなくていい
●Hack36 料理の効率は「熱源の数」で決まる
●Hack37 皿テトリスを終わりにしよう

CHAPTER7 休息――生き延びるための休日ハック
【発達障害サバイバルの掟】働かなくても休むことができるが、休まなければ働くことはできない
●Hack38 「頑張る」は惰性、「休む」は意志の賜物
●Hack39 完全な休日は「現実逃避」に徹する
●Hack40 「初心者に優しい」娯楽は危険です
●Hack41 「コンビニ散歩」を娯楽にする

CHAPTER8 うつ――不安とともに生きる再起ハック
【発達障害サバイバルの掟】「どん底から再起する」技術を身につけよう
●Hack42 「一発逆転マインド」を捨てる
●Hack43 「向いていない職種」を徹底的に避ける
●Hack44 「貧乏人」とも「金持ち」とも広くつき合う
●Hack45 うつの自分を「数字」でモニタリングする
●Hack46 「死ねばいいや」の麻薬に頼らない
●Special Hack 今、「うつの底」にいるあなたへ

おわりに 本当のあなたを「ハックするな」


@2021/10/09



自己啓発プログラム

異業種交流会

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興味深いお話
交流会は不適格を探すフィルターの1つ
狙い通りに探し出して退職してくれた

https://karaage.hatenadiary.jp/entry/2021/10/08/073000
会社の自己啓発で異業種交流会に行ったら地獄でした

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