杉田水脈の心の闇


杉田水脈

1967年生まれ。もう若くない。心を闇に掴まれたままでは自分の使命に辿り着けない。


【杉田水脈議員が敗訴 高裁で「いいね」が名誉感情を害する意図があると認められた理由】
凄い言葉が並んでいた
杉田は心に闇を抱えた病人だね
マインドコントロールを受けている可能性も
https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/20221022-00320529
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https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/20221022-00320529



杉田水脈議員が敗訴 高裁で「いいね」が名誉感情を害する意図があると認められた理由

小川たまか

ライター

10/22(土) 9:30

(写真:アフロ)


 自民党の杉田水脈議員(現・総務政務官)がジャーナリストの伊藤詩織さんから訴えられた「いいね」訴訟の控訴審判決が10月20日に東京高裁で言い渡され、石井浩裁判長は一審判決を変更し杉田議員に55万円の支払いを命じた。


 判決前、法廷前に並ぶ伊藤さんの支援者らの表情は硬かった。一審に続き控訴審でも伊藤さん側は杉田議員の尋問を求めたが認められなかったこともあり、一審支持となるのでは……という予測が報道関係者の中でも強かった。結果は伊藤さんの逆転勝訴となり、支援者らはホッとした表情を見せていた。


 判決後に裁判所前で囲み取材に応じた伊藤さんの代理人、佃克彦弁護士は「この判決が『いいね』が不法行為になった先例として広まるのは本意ではない」とあくまで特定の事例における判断であることを強調した。


 この訴訟は一部で、一般人が「いいね」を気軽に押す行為を躊躇させ、ひいては表現の自由を萎縮させると言及されている。


 しかし訴訟の内容をつぶさに確認すれば(あるいは確認するまでもなく)、これが当時約11万人(現在は約27万人)のフォロワーを持つ国会議員が、ひとりの性暴力被害当事者である女性とその支援者に対する暴力的な言葉に執拗に「いいね」を押し続けたという、特異なケースであることがわかる。


 しかも杉田議員はそれ以前に伊藤さんを批判・揶揄する言動を繰り返し、それが映像に記録され、多くの人が目撃している。高裁判決では杉田議員の「いいね」行為が、積極的に伊藤さんの名誉感情を害する意図の元に行われたことを認めたが、これがそのように認められなければ、一体どのような行為がそう認められるだろうか。


10月20日の判決後、裁判所前で取材に応じる伊藤詩織さん(中央)、佃克彦弁護士(左)、西廣陽子弁護士(右)(筆者撮影)


●一審判決「加害の意図をもって行われたと認めるべき事情も見当たらない」


 判決当日夜に行われた、伊藤さんの支援者に向けたオンラインの支援集会の中で、一審判決が変更となった理由について尋ねられた佃弁護士は「一審判決がひどすぎたということ」「一審判決は極めて独自の判断を持ち出して負かされた」と述べた。


 一審判決はどのようなものだったのか。


 一審の武藤貴明裁判長は、「いいね」は多義的・抽象的な表現行為であるため、原則として違法行為とは言えないが、違法行為にあたるのは次のような特段の事情がある場合に限られると提示した。


    これが違法と評価される余地が生ずるのは、これによって示される好意的・肯定的な感情の対象及び程度を特定することができ、当該行為それ自体が特定の者に対する侮辱行為と評価することができるとか、当該行為が特定の者に対する加害の意図をもって執拗に繰り返されるといった特段の事情がある場合に限られるというべきである(判決文より引用、太字は筆者による)


 そして、


【一審判決(要約)】


(1)「いいね」によって示される杉田議員の好意的・肯定的な感情の対象及び程度を特定するに足りる証拠がない


(2)杉田議員の「いいね」は合計25件と少なくはないが、執拗に繰り返されたとは言えない


(3)伊藤さんに対する加害の意図をもって行われたと認めるべき事情も見当たらない


(4)杉田議員は国会議員でフォロワー数は約11万人(当時)だが、その影響力によっても違法行為ではないという結論は左右されない


 と結論づけた。末尾にまとめるが、杉田議員がそれまでに伊藤さんに対して揶揄を繰り返してきたことは多くの人が確認できる映像やブログに残されていたし、原告側は当然それを主張した。


 このような証拠をもってしても、「加害の意図をもって行われたと認めるべき事情も見当たらない」のであれば、法廷で認められる「加害の意図」などほぼないのではないか。


 さらに、この判決文のもっとも不可思議な部分は、杉田議員がネット番組で伊藤さんを揶揄した事実を「いいね」とは関連づけられないと説明する箇所だ。


    しかし、これらの行為は、本件各押下行為とは全く別の機会にされたものであって、被告のプロフィールページ等を閲覧する者が当然に認識できる事情ではない。(判決文より)


 「これらの行為」とは、杉田議員がネット番組で伊藤さんを揶揄したことなど。


 杉田議員の加害意図や感情の程度について過去の言動から推測できるのではないかという話のはずが、急に「被告のプロフィールページ等を閲覧する者が、その映像を確認していたかどうか」に変わる。判断の主体がここだけ突然「被告のプロフィール等を閲覧する者」に変わる。まるで手品のように、話がまったくズレている。


 原告側が訴えた、杉田議員の「いいね」は過去の言動などの経緯を踏まえ一連の行動として見るべきであるという主張に対して、まったく筋の通らない評価をしている。


●高裁判決「単なる故意にとどまらず、名誉感情を害する意図が認められる」


 高裁では上記の判断が一転した。高裁判決ではまず、「いいね」が押されるまでの経緯も検討する必要があるとした上で、次のようにまとめる。


【高裁判決(要約)】


(1)杉田議員の過去の言動や、伊藤さんや伊藤さんの支持者を中傷するツイートに「いいね」する一方で、杉田議員を批判するツイートには「いいね」していなかったといった事実から、杉田議員の「いいね」は好意的・肯定的な感情を示すために行われたものであることが優に認められる


(2)杉田議員の「いいね」は合計25回と多数回に及んでいる


(3)回数や杉田議員の過去の言動と照らし合わせれば、単なる故意にとどまらず、伊藤さんの名誉感情を害する意図をもって「いいね」をしたと認められる


(4)当時11万人のフォロワーがいる杉田議員のツイッターで行われたものであるから、不特定多数が認識し得る状況であり、杉田議員は国会議員であるからその影響は大きいと認められる


 佃弁護士は判決後の記者会見で「アホ」という言葉を例に取り、「親しみを込めてアホと言われる場合もあれば、侮辱になる場合もある」と、それが使われる文脈・経緯の確認が必要であると説明。「いいねも同じで、本件の場合はとってもひどい経緯があったということを世の中に認識していただきたい」と強調した。


 また、伊藤さんのもうひとりの代理人・西廣陽子弁護士は同日夜に行われたオンラインの支援者集会の中で「血の通った判決だと思う」と感想を漏らした。杉田議員が「いいね」行為に至るまでの経緯と、それによる影響を丁寧に読み取った判決ということだろう。一般感情としてもストレートに理解しやすいのは高裁判決の文章であると思う。


伊藤さんは「法に守られたのだなとエンパワーされた」「名誉感情を害する意図をもって、というところを読んだときに気持ちが伝わったんだなと思った」と語った(10月20日・筆者撮影)


●誰の表現の自由が侵害されているのか


 伊藤さんは判決後の記者会見で、この訴訟が「表現の自由」に関わるものであるとされたことに触れ、「誰かの表現の自由を守るという言葉の中で許されてしまう言葉の暴力。その議論はとても危ういものだと思います。表現の自由という一言で、言葉の暴力を許してしまうということを、考えるきっかけとなる判決だったのではないかと思います」と話した。


 何でもかんでも誹謗中傷、名誉侵害ということになれば表現が萎縮する……といった懸念があるが、そうであるならば同時に、誹謗中傷や揶揄によってすでに萎縮させられている表現があることにも思い至らなければならないはずだ。


 伊藤さんだけではなく、伊藤さんを擁護しようとする人にまで集団で言葉の暴力が向けられる実情がネット上にはあった。それがどのような言論の自由を阻害したのかに注意が払われるべきだ。


 最後に、高裁判決に列挙されている杉田議員が「いいね」したツイートと、杉田議員の過去の言動をまとめる。ツイートはすべて伊藤さんや伊藤さんを擁護したアカウントに向けられたもの。


 これらを書き抜くことは伊藤さんへの二次加害になり得るが、このような行為を執拗に行った杉田水脈氏が国会議員であり、現内閣で総務政務官に登用された人物だという点について今一度問うことが必要だと思うからだ。


 国会議員の「いいね」欄に並ぶこのようなツイートの中傷が、もしも自分や自分の子どもに向けられたものだったとしたら、あなたはどう感じるだろうか。


【杉田議員が「いいね」した25件のツイート(一部要約)】


(1)顔を出して告発する時点で胡散臭い・・同情で国を貶め、それを飯のタネにしたいという意図が見えて賛同できません。


(2)最初っから今まで自分の私利私欲。自分から危ないとこに飛び込んでってんの。・・この女のやってる事は・・自己中の延長だよ


(3)自称#伊藤詩織は、そもそもレイプの事実関係が怪しすぎる。


(4)彼女がハニートラップを仕掛けて、結果が伴わなかったから被害者として考え変えて


(5)枕営業の失敗ですよね。


(6)言ってる事の整合性がなく、被害妄想?を疑いましたよ。売名行為なのかな?


(7)伊藤おばさんは、薬を盛られたくせにホテルで泥酔・・自分の望みが叶わないと相手をレイプ魔呼ばわりした卑怯者。そして、貴女は、それを知りながら杉田さんに因縁をつける最低の人間。


(8)ニコニコ顔で自分のレイプ体験語るヤツが被害者って変だと思わないかなぁ!?


(9)被害者ぶるのもいい加減にして下さい。


(10)詩織さんの行動が招いた結果でOKだね(笑)


(11)お前は本当のキチガイか?・・この屑野郎!(※原文ママ)


(12)クレーまであり、キチガイそのものだろ!!どういう育て方を受ければここまでキチガイになれるんだ!?(※原文ママ)


(13)(漫画の女性キャラクターの画像を使って)「誰だよてめーは」「いきなり現れて好き勝手言ってんじゃねーぞ」(と語らせるもの)


(14)悪意に騙されやすい、まっすぐでお花畑の方でしょうか。・・確信犯のサヨクなら知りませんが。


(15)見苦しい 品性の無い 情けない


(16)こっち来るなよ


(17)こいつ詩織が被害者だってマジで思ってんのかな?馬鹿じゃねえの?


(18)お前はもっと品性ねーよwww


(19)このちはる上野とか言う人、変態やな


(20)なんだこいつ 品性ねぇのはあんただ


(21)バカの典型文


(22)貴方の品性のない発言こそ、下劣で不愉快ですよ。


(23)どう考えてもカネを摑まされた工作員


(24)伊藤さんが嘘をついて日本を貶めている事を責めているだけ


(25)ジャーナリストになる為のコネを作ろうとホテルに行ったのに、上手くいかなかったと分かるとレイプされたと虚言を吐き始めたのです。


【判決文の中で「いいね」行為に至る経緯と認められた杉田議員の過去の言動】


(1)2018年3月頃にインターネット番組「日本の病巣を切る」に出演し、「枕営業大失敗」と記載されたイラストを披露した漫画家らとともに、伊藤さんを揶揄した。


(2)2018年6月28日に放送されたイギリス・BBC放送「Japan’s secret shame」の中で、「彼女(伊藤さん)の場合は明らかに女としても落ち度がありますよね」「伊藤詩織さんがああいう記者会見を行って、ああいう嘘の主張をしたがためにですね、山口さんや山口さんの家族には、「死ね」とかいうような誹謗中傷のメールとか電話とかが殺到したわけですよ」などと発言。


(3)2018年6月29日に「もし私が、「仕事が欲しいという目的で妻子ある男性と二人で食事しにいき、大酒を飲んで意識をなくし、介抱してくれた男性のベッドに半裸で潜り込むような事をする女性」の母親だったなら、叱り飛ばします。『そんな女性に育てた覚えはない。恥ずかしい。情けない。もっと自分を大事にしなさい。』と」とツイート。


(4)2018年6月30日に公開された自身のブログで、BBC放送の番組を取り上げ「伊藤詩織氏のこの事件が、それらの理不尽な、被害者に全く落ち度がない強姦事件と同列に並べられていることに女性として怒りを感じます」と投稿。


 杉田議員は裁判の始まった2020年頃から「いいね」を使っていなかったが、最近になって「福島瑞穂さんがLGBT以上に気持ち悪いです」という内容を含む自分へのリプライに「いいね」を押している(2022年10月22日9時に確認)。


↓一審判決時記事。武藤貴明裁判官についてなど。


【たまたま通信】いいね訴訟の判決文はちょっと変だと思いました(2022年3月31日)

小川たまか

ライター


ライターでフェミニストです。現在、東京と京都を行ったり来たり。主に性暴力、働き方、教育などの取材・執筆をしています。2022年2月新刊『告発と呼ばれるものの周辺で』(亜紀書房)、その他『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を』(タバブックス)、共著『私は黙らない 性暴力をなくす30の視点』(合同出版)。やわらかめの記事はこちら→https://ogatama.theletter.jp/

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