美佑樹の怖い話
みゆき
漢字では美佑樹
美佑樹はこの名前が半分好きで半分嫌いだった
自分の気持ちが名前の中に収まらないのだ
こういう感覚は美佑樹だけのものだったから
周りの人には少し変わった子供くらいのものだった
やがて
名前は漢字を使わなくなった
余程のこと、正式と言うか公のものでない限り
美佑樹はみゆきで済ましていた
戦後生まれ
家は裕福
長女
*
唐突だけど
母親には美佑樹を生んだ時の記憶がない
*
美佑樹にはいくつもの顔があった。
どれも本物
少なくとも美佑樹自身は・・・
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怖い話を書き始めると
怖いものが寄ってくると聞いたけど
あながち只の都市伝説ではなさそうだ
*
美佑樹は一人遊びが好きだった
実際は女の姉妹がいなかった
母親だけが頼りだった